ジャマハローア、ザクザク食感です。
星のカービィWiiデラックスのストーリーをクリアしました。
ストーリーモードとその後日譚のマホロアエピローグは発売日にクリアしたのですが、その他のやりこみ要素がとても難しく、かなり長く遊べています。
この文章では今作のメインキャラクターであるマホロアについて書いていきますが、やりこみ要素の一つであるわいわいマホロアランドの全ミッションクリアはまだ達成できていません。
なので考察というよりは感想と妄想を書き連ねていくだけの文章になります。ご容赦ください。
以下、ネタバレを含みます。
こうかいしませんね?
メインストーリー
この文章はカービィを知らないフォロワーへの布教の意味もあるので、星のカービィWiiのだいたいのあらすじを書いていきます。
物語冒頭、カービィたちが暮らしているポップスターの上空に突然大きなワープホールが出現し、宇宙船が墜落してきます。
カービィたちが心配して駆け寄ると、この宇宙船の主であるマホロアが困った様子で途方に暮れています。
どうやら墜落した際に大量の船のパーツを落としてしまい、この船を飛ばすことができなくなってしまったようです。
お人よしのカービィが困っている人を放っておけるわけもなく、カービィたちは壊れた宇宙船のパーツを集める旅に出かけます。
ストーリー中盤、ついに宇宙船のパーツが集まり、また飛ぶことができるようになりました。
マホロアはお礼のために、自分の故郷であるハルカンドラという星にカービィたちを連れて行ってくれます。
ですが、到着を目前にして、4つ首のドラゴン ランディアに宇宙船を墜落させられてしまいます。
↑いかにも悪そうな顔!こいつがラスボスに違いない!
せっかく直した船をまた壊すなんて、なんてひどいことをするんだ!!!
カービィたちはランディアを懲らしめるため、ラストステージへ向かいます。
ランディアとの戦いを終え、一息つくカービィたちの前に、マホロアが現れます。
な、なんだってー!?
カービィたちは、「ランディアが持っているマスタークラウンを手に入れる」というマホロアの目的の達成のために利用されていたのです。
絶大な力を手に入れ暴走したマホロアは、その力を使って全宇宙を支配しようとします。
こうして、本当の黒幕であるマホロアとの戦いが始まります。
で、マホロアを倒してポップスターに帰ってハッピーエンドだね!でメインストーリーは終わりです。
冒険のきっかけだったマホロアが実はずっとカービィたちを騙していた、というだけでもインパクトのある話ですが、これはまだ氷山の一角に過ぎません。
マホロアはその後どうなったのか、マホロアがなぜマスタークラウンの力を手に入れたかったのかなど、謎は多く残ったままです。
このゲームは2011年に発売された星のカービィWiiのリメイク作品で、原作の星のカービィWiiでは上記のような謎は残されたままでした。
ですが、これまで「おやつのケーキを取り返すために宇宙の果てまで敵を追いかける」みたいなストーリーが多かったカービィ作品で、プレイヤーを見事に騙し、大きなインパクトを与えたマホロアというキャラクターはカルト的な人気を誇り、星のカービィWii自体も伝説の名作として愛され続けています。
そして、12年の時を経てついに発売されたのが本作、星のカービィWiiデラックスです。
本作にはストーリークリア後のマホロアを描いた「マホロアエピローグ」という新モードが追加されています。そのストーリーについてもだいたいのあらすじを書いていきます。
マホロアエピローグ
カービィに破れ、力を失ってしまったマホロアは、異空間をさまよっていました。
気が付くと、マホロアは知らない空間で倒れていました。
このストーリーではプレイヤーはマホロアを操作します。
敵を倒して魔力を集め、失った力を取り戻し、この空間に散らばっている謎の果実のカケラを5つ集めて、マホロアをここから脱出させるのがこのストーリーでの目標です。
要するにこのストーリーでは、力を失ったラスボスをプレイヤー自らの手で復活させるということです。最高~!!!
マホロアはカービィたちを騙した極悪人で、その報いを受けて力を失っているのに、復活させちゃっていいの……?
マホロアが主人公のストーリーとはいえ、彼が改心したような描写はありませんし、こんなことしていいのか……と悩みながらマホロアを強化していきます。
最初は浮遊すらできないほどに弱体化しており、敵から逃げるぐらいのことしかできません。
ですが、ステージをクリアしてマホロアを強化するたびにどんどんラスボスらしい能力に戻っていき、ステージをクリアする難易度も低くなっていきます。
ステージの難易度自体は明らかに上がっているのですが、それ以上にマホロアが強すぎて、敵が一瞬で溶けていきます。これが楽しくもあり、同時にこんな奴を復活させてしまっていいのか……?という気持ちにもなります。
ストーリーのあらすじに戻ります。
5つの果実のカケラをすべて集めて、ようやくここから脱出だ!
と思った瞬間、この空間の敵を操っていたクラウンドローパーにそれを横取りされ、マホロアの前に敵として立ちはだかります。
せっかく集めてきたものを横取りされて利用される という流れは、マホロアがカービィたちにしたことによく似ています。
クラウンドローパーもやっと倒したかと思うと、
マスタークラウンのカケラが大樹に寄生し、マホロアの前に立ちはだかります。
ストーリーでマホロアを狂わせた、マスタークラウンそのものがこのストーリーのラスボスです。
マスタークラウンはもはや何かを支配して操るのではなく、自分自身で力を振りかざすようになってしまったのです。
あれほど欲しかったマスタークラウンを手に入れるのを諦め、自らが犯してしまった罪にケジメをつけるために、マホロアは戦います。
突き刺さっていた剣にすべての魔力を流し込み、自分の罪の象徴でもあるマスタークラウンを真っ向から断ち切ります。
メインストーリーではカービィのウルトラソードによってマホロアは倒されたのですが、このシーンはそれと対比になっていてめっちゃアツい!!!
マスタークラウンは真っ二つに割れ、完全に消滅しました。
すると、マホロアの前に異空間の脱出口が現れました。ようやくここから出ることができます。
ここのマホロアが泣いているような動きをします。マスタークラウンを失い、二度と望みが叶わなくなった悲しみなのか、背負っていた罪を清算した嬉しさなのかはわかりません。
そしてエンディングが始まります。
え~~~!!!!!!!
カービィハンターズシリーズをプレイしたことがある方ならリンゴが出てきた時点でピンと来ていたかと思いますが、カービィの外伝であるカービィハンターズシリーズに登場していた店主マホロアは、原作のカービィWiiのマホロアと同一人物だったのです。
カービィハンターズシリーズはボスバトルをメインとしたカービィの外伝作品で、そのゲーム内でよろずやの店主を勤めていたのがこの白と緑の衣装を着たマホロアでした。
このゲームの舞台は、プププ王国というパラレルワールドであり、本編とは別世界であることが明言されていました。ですが、マホロアは次元を移動できる異空間をさまよっていたので、たまたま脱出できた場所がプププ王国だったというわけです。
つまり、マホロアは自分の罪を断ち切り、別世界ではあるものの、再びトモダチ(カービィ)に出会うことができたというわけです。
ハッピーエンドだ!!!書きながら泣きそうになってます。
マホロアの夢
ローア(宇宙船)内ではマホロアと話すことができます。その際に、マホロアが自分の夢について語ってくれることがあります。
その夢というのが、宇宙一大きなテーマパークをつくるということです。
たしかにローア内にはマホロアがつくったアトラクションがありますし、外伝作品の20周年スペシャルコレクションや、デデデ大王のデデデでデンのアトラクションはマホロアがつくったというような演出がありました。
そして、本作では「わいわいマホロアランド」というマホロアがつくったテーマパークで遊ぶことができるモードがあります。
マホロアランドにはメインストーリークリア前から入ることができます。
でもカービィWiiのリメイクという時点でマホロアがラスボスなのは確定しているので、矛盾が発生します。
ですが、マホロアランドに入ったときに見れる説明には「いつかの時代のどこかの世界のお話」とあるので、本編とは別世界の話という扱いだということで辻褄が合っています。
待って、別世界……?
マホロアエピローグのあとにマホロアは別世界に行って、よろずやの店主として別世界のカービィに会ったってことだよね……?
ここからは完全にオタクの妄想になるんですけど、
もしこうだったら、どうする……?
世界線を超えて、また二人がトモダチとして会えたんだとしたら、どうする……???
いや別世界って言ってるじゃん!と言われるかもしれませんが、ローア(宇宙船)はマホロアと同じく次元を超えることができるので、なくはない話だと思います。
こういう考察の余地があるのがカービィのいいところの一つです。あくまで妄想なので悪しからず……
そしてもう一つ、このわいわいマホロアランドでのマホロアの肩書きについて気になる部分がありました。
マホロアの肩書きが「支配人」になっています。
本編終盤でマホロアが「支配してアゲルヨォ」と言っていたこととかけている、開発陣の遊び心なのかな、と最初は思っていました。
ですが、今作でマホロアの夢が「宇宙一大きなテーマパークをつくること」だったことがわかりました。
テーマパークをつくるということは、テーマパークの支配人になるという意味でもあります。
もし、マホロアがマスタークラウンの強大な力を使ってその夢を成し遂げようとしていたのなら、
「宇宙一のテーマパークの支配人になる」→「宇宙を支配する」
というように、マスタークラウンの憎悪や悪意などのエネルギーがマホロアを歪ませ、このような結果になってしまったのではないかな、と思いました。
だいぶ強引ではありますが、マホロアは最初から宇宙を支配しようとして力を手に入れたかったわけではなかった ということがわかっただけで、彼の見方が大きく変わるのは事実です。
この作品でマホロアについて深く掘り下げてくれたおかげで、マホロアのことがより好きになりました。今までの作品で最後まで救われなかったラスボスもいるので、マホロアがちゃんと報われて本当に嬉しいです!
ですが、これで終わらないのが星のカービィというゲームです。
マホロアソウル
カービィシリーズでは、ストーリークリア後のやりこみ要素として、ボスラッシュをするモードがあります。
本作も例外ではなく、すべてのモードをクリアした後に「真・格闘王への道」という高難易度のボスラッシュモードが解放されます。
真格闘王では、これまでのすべてのモードで出てきたボスと連戦をしていくので、すべてのモードをクリアしない限り解放されません。
カービィシリーズの高難易度ボスラッシュモードにはもう一つ毎度恒例になっている要素があります。
それが「ラスボスのソウル化」という要素です。
高難易度ボスラッシュの最後のボスは、必ずラスボスの思念(ソウル)が暴走し、さらに強い敵になってしまいます。
そのボスの名前が〇〇ソウル(マルクソウルやセクトニアソウルなど)になるので、ファンの間ではこれをソウル化と呼んでいます。
本作の高難易度ボスラッシュである真格闘王への道のラスボスは、マホロアソウルでした。
これがマホロアソウルです。原作のカービィWiiを遊んでいた当時小4だった僕は、このキャラデザに惚れ込んでしまい、自由帳の端っこにずっと目だけ描き続けるようになりました……
原作のカービィWiiのときもそうだったのでそこまで驚きはしませんでしたが、今作ではストーリー後のマホロアエピローグでマスタークラウンというさらに凶悪なラスボスが登場していたので、そっちがソウル化するものだと思っていました。
ですが、カービィ開発陣がそのままリメイクするわけもなく、原作カービィWiiのマホロアソウルとは異なる演出が用意されていました。
体力を削り切り、やっと倒したかと思うと、マホロアソウルはこちらにリンゴを投げてきます。
真格闘王は限られた回復アイテムでボスラッシュに挑むモードなので、ボスから回復アイテムが与えられるなんてことはあり得ません。
その後、マホロアの目が消え、口から出ていた目が大きく見開きます。
これ以降の攻撃は原作のマホロアソウルの何倍も強力なものになります。
マホロアエピローグやカービィハンターズで象徴的だったリンゴをカービィに投げ、唯一マホロアらしさを残したパーツである目が完全に消える演出……
これは、マホロアがマスタークラウンに完全に支配されてしまったことを表していると思います。最後にカービィのためにリンゴを投げてくるのがなんとも物悲しいです。
このマホロアソウルを倒しても、本編のようにマスタークラウンは壊れず、マホロアも消滅せず、ただ異空間に吸い込まれるだけという後味の悪い映像が流れます。
そして最も注目すべきポイントが、そのときの断末魔です。
動画は貼れないっぽいので、僕のswitchでキャプチャーした映像のリンクを貼ります。
#星のカービィWiiデラックス #NintendoSwitch pic.twitter.com/CmlpNo3aTS
— ザクザク食感 (@blackblockchoco) April 9, 2023
断末魔の音声をサウンドルームで聴くことができるのですが、これはそのキャプチャーです。
曲名は「解キハナ…ッテ……K…r……b……ー!」 おそらく「解キハナッテ カービィ!」と言いたかったのでしょう。
悲しすぎませんか?このゲームで一番最後に見ることになるボスの撃破シーンがこれです。
しかも、マホロアが罪を償って幸せになれたルートを先に見てからこれを見ることになります。
もうなんか普通に凹みました。でも同時に、やってくれたな熊崎(ディレクター)……!とゾクゾクもしました。
世界観に合わないこのハードな設定も、カービィが子供向けではなく全年齢向けと評価される所以です。
さらに、目がなくなった後のマホロアソウル戦でポーズ画面を見ると、
あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
このどこまでも素直になれない感じ、滲み出る自尊心、カービィへの歪んだ感情!!!!!
「そしたら マタ、」の後、本当は「トモダチになってよ」と言いたかったのでしょう、マホロアが抱えているカービィへの愛憎が入り混じった感情が表れている素晴らしいフレーバーテキストだと思います。
こんなの見ちゃったらもう興奮してどうしようもありません。
というわけで、興奮冷めやらぬままタイピングを続けて9時間経ってしまいました。
星のカービィがもっと多くの人に愛され、僕の周りにもカービィファンが増えることを祈っています。
もし読んでくださった方がいるなら本当にうれしいです。ありがとうございます。
星のカービィシリーズはこういうことを平気でやってくる作品なので、もし興味が出た方はぜひ一度遊んでみることをお勧めします!!!
それでは、さようなら。